古田十駕(酒盛正)の文学日記

古田十駕の文学日記

2022月5月11日 ニシキヘビとMLB

 四百二十五枚。何日か前に、大きなニシキ蛇に後ろから項をちろちろと舐められる夢を見たあと、どこということなく体調がすぐれず気分がよくない。眼鏡が合わなくなっていて目が疲れやすいことや、コロナやウクライナのこと、テレビがマンガのようなドラマや手っ取り早く芸人たちを集めてつくったようなバラエティのようなものばかりやっていることなど世相一般が面白くない等々などの複合的な理由に夢の毒気にあてられたことが重なったせいかと思える。祖祖父が実家の裏の竹藪で大きな蛇を見てほどなくして死んだという話を祖父から聞いていて、祖父らしい与太話だと笑っていたのだが、内心どこかで真剣にうけとめていたのかも知れない。冗談のつもりでも子どもにつまらない話はしないほうがいい。今、テレビでMLBの中継が始まった。大谷が昨日みたいに活躍してくれるのを見たら多少気が晴れるかも。

 

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 曹洞宗の禅林で破門同然となった良寛は、越後へ帰郷して世俗の中で禅の修行を全うしようとするが、そうして真摯に生きようとすればするほどこの世に生きる場を失う。良寛は身を屈め、大きな体を小さくして人の世を生き凌ぐ。ーーかくばかりうき世と知らばおく山の草にも木にもならましものを

          160円(税込み)

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 釈迦牟尼(サキャ族の聖者)、仏陀(真理を悟る者)と呼ばれるゴータマ・シッダールタは、どのようにして現象としてのこの世の真の姿をとらえ、苦からの解脱という方途を見出したか。その大悟までの半生を描く。
   100円(税込み)

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 ユダヤ教から卵生したキリスト教を、ユダヤ主義者や異教徒と厳しく対決しながらローマ帝国に教線をひろげていった聖パウロを中心に、新約聖書記述者のルカやマルコをはじめとする伝道者たちの信仰を描く。
   280円(税込み)

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 明治二十三年春三十九歳で来日し、五十九歳で亡くなるまで日本を離れず、「知られざる日本の面影」「霊の日本」「神國日本」などをあらわして日本を西欧に紹介した小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の評伝小説。
    100円(税込み)

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僕の前に道はない
僕の後ろに道は出来る
近代日本の芸術における過剰な商業主義への光太郎の生真面目な抗議は、
美しい日本の良心と言えるだろう。
日本近代詩の父、高村光太郎の生涯!
   280円(税込み)

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酒盛正全詩集
作品No.1より
雨。かってこれほど充実した一日はなかった。夕闇と
ともに空は明るみ、疲労が私を襲った。野の道の地蔵の
前に私は屈みこみ、しきりに自由とか孤独とかいうことを
考えた。濡れた雨傘は鉄鉢を持つ地蔵の腕にたてかけて
あった。夜が迫りつつあった。
   100円(税込み)

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 かく歩み、かく思い、かく書く。文学日記より拾った鳥道の粋藻。小説が生まれる前の素描。文学日記セレクション
   240円(税込み)

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2022年5月9日 悩めるナメクジ。

 四百二十四枚。太子と子波の仏教問答続く。あと二日ほど。全部で二枚半ほどだが、丸々虚構の話を書くのは沼地を歩いているようで疲れる。曇っていて、これから降り出すというので、気分転換に木をいじることもできない。今日一日、A4を半分に切った反古紙の裏でナメクジのようにのたくって生きる。

 

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作品No.1より
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2022年5月7日 蝶はもったりと飛べない。

 四百二十三枚。柿の葉が大きくなって、花芽がたくさんついている。今年は実が多くなるらしい。今日から何日かで、橘尼寺で勝鬘経の講話を終えた太子が斑鳩宮への帰途に馬丁の子波と仏について話すところをメモ八枚に拠ってあまり抹香臭くしないよう注意して書く。それで九章の三分の一が終わる。先ずは何とかかんとか書きすすんでいて、こういうもったり感も悪くない。

 

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2022年5月5日 フルハウス。

 四百二十二枚。目の前のことばかり見ていると、何かの拍子にふと気づく季節の移ろいが鮮やかに見える。いつもワンペアかツウペアの手のうちばかりをいじくっているうち、あるときふと気づくとフルハウス。ハッとするあの感じ。

 

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2022年5月3日 運命論に戸惑う実存主義者。

 一昨昨日、中央図書館で調べものをしたが分からず、一昨日駅前の分館のほうへも行ってみたがやはり駄目だった。分館を出るときは雨になっていて、携帯の折りたたみ傘をさした。百メートルほど歩けば駅前のバスターミナルで、いったん広場の上を跨いでいる高架台へ上がって方面ルート別に分かれた広場の乗り場へ下りていくようになっていて、そこへ上がるエスカレーターをつかうため車道をわたって駅へむかった。どんどん強くなる雨の中を歩いて広場の前までいくと、エスカレーターが下りだけ動いていて、上りが止まっていた。止まっているながいエスカレーターを登っていく気力がなく、広場から放射線にのびている道路のほうにあるエスカレーターをつかおうと思ってそちらのほうへいくと、そこの歩道に十数張りのテントを張って古本市をやっていた。土砂降りのようになっていて、テントも雨除けシートが垂れて客がほとんどいなかった。よろよろとひかれて端のテントからざっと見ていったがろくな本がなかった。そして八張り目のテントで、その本に出遭った。正確には上下巻本一組ともう一冊で、題名もわからずに次作のために探していた本だった。値段を見ると手持ちがなかった。それで翌日、あらためて出直していって大枚をはたいて買った。あとで思うと、いくつもの偶然が重なっていて、どう考えても本が自分を呼んでいたとしか思えなかった。本との出遭いには偶にそういうことがある。

 

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2022年5月1日 荒野のサボテン。

 四百二十一枚。おもうことをおもうように書くというのは小説を書く極意のように思えるが、じつはそうではなく、おもうことをおもうように書くと、それは小説ではなくなる。あるいはそのように書けるようになると小説を書く必要がなくなる。小説がある種の不自由、精神的逆境からしか生まれないと気づいたのはごく最近のことで、腰が抜けるほどびっくりした。文学が実存的逆説の世界であることに今まで気づかなかったとは、生粋の実存主義者を以て任じる私としたことが何と迂闊であったか。おもうように書く、あるいは書けるようになるのではなく、おもうように書けないことを何とか苦労してあえて書き凌ぐというのが小説の本道であるらしい。

 

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2022年4月29日 半分というのは、半分というだけで何らかの本質的概念を有する。

 四百二十枚。勝鬘教講話を書き終えたところで構成上の前半をすぎた感じがする。ちょっとした突起のような触感があった。創作ノートの区分よりはこの実感のほうが多分正しい。小説は所詮自分様にしか書けないもので、その判断と結果に理屈をつけて正当化していくしかなく、その理屈の正当性なり怪しさが小説の実存的主体ということになる。その隘路をつうじて書き手の実存と小説世界の実存がつながっている。つまりそこが書き手の書き手としての死に場所ということになる。

 

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 ユダヤ教から卵生したキリスト教を、ユダヤ主義者や異教徒と厳しく対決しながらローマ帝国に教線をひろげていった聖パウロを中心に、新約聖書記述者のルカやマルコをはじめとする伝道者たちの信仰を描く。
   280円(税込み)

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 明治二十三年春三十九歳で来日し、五十九歳で亡くなるまで日本を離れず、「知られざる日本の面影」「霊の日本」「神國日本」などをあらわして日本を西欧に紹介した小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の評伝小説。
    100円(税込み)

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僕の前に道はない
僕の後ろに道は出来る
近代日本の芸術における過剰な商業主義への光太郎の生真面目な抗議は、
美しい日本の良心と言えるだろう。
日本近代詩の父、高村光太郎の生涯!
   280円(税込み)

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酒盛正全詩集
作品No.1より
雨。かってこれほど充実した一日はなかった。夕闇と
ともに空は明るみ、疲労が私を襲った。野の道の地蔵の
前に私は屈みこみ、しきりに自由とか孤独とかいうことを
考えた。濡れた雨傘は鉄鉢を持つ地蔵の腕にたてかけて
あった。夜が迫りつつあった。
   100円(税込み)

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 かく歩み、かく思い、かく書く。文学日記より拾った鳥道の粋藻。小説が生まれる前の素描。文学日記セレクション
   240円(税込み)

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