古田十駕(酒盛正)の文学日記

古田十駕の文学日記

2021年6月15日 虚構のクオリティ

 二百十七枚。飛鳥のころは日本にはまだ紙がなかったので、建築にあたっては設計図のようなものはなかったため、大規模建築でも左右対称や単純なパターンを繰り返す様式だったのではないかと思われる。それを承知で、飛鳥寺の建築にあたって馬子が百済からきた寺工と設計図を挟んであれこれ相談する場面を書いてみた。朝鮮半島ではそのころすでに紙をつくっていたので、その紙の製法を寺工たちが見よう見まねでつくったということにした。馬子が経の書写につかいたいのでその紙の製法を教えて欲しいと頼むところまで書く。史実ではないがありそうなことで、そうだったとしても決しておかしくない。聖徳太子がこのあと「法華義疏」をあらわすので、そのときの下書きやら何やらにつかわれる紙も要る。木簡や竹簡ではとても間に合わない。だからそのころに紙の製法がつたわったのはほぼ間違いないので、どこの誰が最初に日本で紙をつくったとはっきりしない以上、まんざら出鱈目ではないことになり、半島の国使がもたらした紙の製法によって大和で最初に紙がつくられた蓋然性はかなり高い。歴史小説に差し挟む虚構のクオリティとしてはじゅうぶんに思える。

 

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 釈迦牟尼(サキャ族の聖者)、仏陀(真理を悟る者)と呼ばれるゴータマ・シッダールタは、どのようにして現象としてのこの世の真の姿をとらえ、苦からの解脱という方途を見出したか。その大悟までの半生を描く。
   100円(税込み)

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ユダヤ教から卵生したキリスト教を、ユダヤ主義者や異教徒と厳しく対決しながらローマ帝国に教線をひろげていった聖パウロを中心に、新約聖書記述者のルカやマルコをはじめとする伝道者たちの信仰を描く。
   280円(税込み)

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明治二十三年春三十九歳で来日し、五十九歳で亡くなるまで日本を離れず、「知られざる日本の面影」「霊の日本」「神國日本」などをあらわして日本を西欧に紹介した小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の評伝小説。
    100円(税込み)

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僕の前に道はない
僕の後ろに道は出来る
近代日本の芸術における過剰な商業主義への光太郎の生真面目な抗議は、
美しい日本の良心と言えるだろう。
日本近代詩の父、高村光太郎の生涯!
   280円(税込み)

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酒盛正全詩集
作品No.1より
雨。かってこれほど充実した一日はなかった。夕闇と
ともに空は明るみ、疲労が私を襲った。野の道の地蔵の
前に私は屈みこみ、しきりに自由とか孤独とかいうことを
考えた。濡れた雨傘は鉄鉢を持つ地蔵の腕にたてかけて
あった。夜が迫りつつあった。
   100円(税込み)

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かく歩み、かく思い、かく書く。文学日記より拾った鳥道の粋藻。小説が生まれる前の素描。文学日記セレクション
   240円(税込み)

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