古田十駕(酒盛正)の文学日記

古田十駕の文学日記

2023-07-01から1ヶ月間の記事一覧

2023年7月31日 歴史的事件やその状況を神仏のはからいと思う心的変換。

推敲九十枚。午前中に十五枚やっておかないと一日三十枚のペースがきつくなる。今年の夏のこの暑さをどうにかして精神的エネルギーに変換できないものかとおもったりする。成せば成る式の精神的スパルタとはちょっと違って、エントロピーの次元変換とでもい…

2023年7月29日 幽鬼うろつく言葉の森。

推敲四十五枚。出だし、一日三十枚の予定よりやや遅れる。上代語の扱い方に腐心する。会話に上代語をそのままつかうと意味不明になったり、語意が反転したり、説明が煩雑になったりするのを何とか処理するのに手がかかってしまう。われわれが古語として理解…

2023年7月27日 しろたへの心なぞりてただに悲し

今日から最後の推敲。一日三十枚予定。最後のところは小細工も付け焼き刃の才覚もつうじない、嫌も応もなくあるものだけの間髪の世界なので気張らずに頑張る。 酒盛正の電子書籍 ↓ ↓ ↓ ↓ (表紙画像をクリック) books.rakuten.co.jp 曹洞宗の禅林で破門同然と…

2023年7月25日 いつまでも迷い鳴くホトトギス

推敲終え、五百九十九枚。これを印字の文章として校正したうえで、あらためて読者目で推敲する。小説の初稿はかならず手書きしなければならないとおもっているが、書き終えたあとの推敲は印字に手書きで添削したほうが格段にしやすい。そのうえで昔は版組み…

2023年7月23日 惚れた身の辛さ、やるせない世界ではある。

六百三十枚を推敲し終えた昨日の時点で五百七十四枚で、残り二十五枚をそのまま足しても六百枚を切る。今日、その最後の二十五枚の推敲を終え、明日からもう一度読み通す具合に読者目で目をとおす。一日六十枚ペース、本なら四十頁ペースでやる。それでよう…

2023年7月21日 老い先を煩わない子雀が毎朝煩い。

推敲五百七十枚。あと八十六枚の推敲で二枚削れば六百枚に収まる。まだもう一回、頭から丁寧に目をとおす必要がある。書いた枚数がおよそ七百二十枚で、それを二回の推敲で百二十枚削り落としたことになる。この痛みは最初の白い紙に仮のタイトルを入れてか…

2023年7月19日 若い頃の貪るような読書と、老いての夕まぐれの散歩のような読書と。

推敲五百十枚。巣立ちしたヒヨドリの巣を落とす。枝の股にかけられた直径十五センチくらいの巣が藁屑や植物の繊維で意外に丈夫につくられていて、巣の底の裏を枝に固定させるところだけビニール紐や解れた化繊のようなものを絡めて丈夫にしてあった。なかな…

2023年7月17日 浮沈の刃。

推敲四百五十枚。七十一キロあった体重がコロナで六十五キロまで落ちたあと六十八キロまで恢復していたのが、この暑さと推敲の疲れでまた落ちて、昨日六十五キロを切った。好きでやっていることとは言え苦労は苦労なので、文字通り身が削れていくのが実感と…

2023年7月15日 小乗的兜率天。

推敲三百九十枚。一日三十枚の推敲という目の前の仕事に埋没している。午前中に十枚から十五枚出来れば午後が楽になる。一日の仕事が終わって水撒きに出ると、その日その日が具体的なかたちで立ち現れたようにあって、その中で生きている自分というものを感…

2023年7月13日 無の谺。

推敲三百三十枚。暑い最中に生まれたヒヨドリの雛がその暑さで死んでしまったらしく、一昨日の朝早く親鳥が大騒ぎして巣を棄てていった。「キーッ」という親鳥の悲痛な一声が諸行無常に抗う生きとし生けるものに共通する悲嘆に聞こえる。人間の言葉も鳥の鳴…

2023年7月11日 電子デパイス上の知性とその表現としての文字は爆発しないし実存的血を流さない。

推敲二百七十枚。ヒヨドリの雛が孵ったみたいで明け方に窓の外の巣あたりから文字通りヒヨヒヨと鳴いているのが聞こえる。このところしばらく体調を崩していたが、推敲の目途が立つようになると復調して体重も戻り始めた。紙に書く文章とその推敲だけが書き…

2023年7月9日 余分というパフォーマンス。

推敲二百十枚。二日離れたので少しペースが戻らない。迷うことが多い。二度、三度と同じところへ目がいってしまって捗らない。こういうときは三十枚につき三枚、一割カットという非文学的パフォーマンスの目安があるのがかえってやりやすい。しかし、これが…

2023年7月7日 見る者は見られる。

推敲二百四枚。所用あって関西へ遠出して二日机から離れる。今日からまたバッサ、バッサのバサラ推敲。前回の推敲で六百四十二枚になっている。そのあと頭からまた二百四枚推敲して十五枚ほど削ったので、あと四百三十八枚推敲して二十七枚削ればいいのだか…

2023年7月4日 ヒヨドリの営める下添竄す

推敲百五十枚。十五枚削る。枇杷の木に巣がけしたヒヨドリが、卵を抱いている雌のために朝早くからせっせと餌を咥えてやってくる。この文章、「朝早く」の前に「毎日」があって、うごけない雌のために雄が餌をはこんでくるのは毎日なのが当たり前なので削っ…

2023年7月2日 予定調和を裂き割く。

九十枚推敲。太子にとって叔父、叔母にあたる敏達の子らの説明を大幅に省く。説明文は最小限にとどめたいのだが、王族の系譜は込み入っていて、その人間関係がそのまま時代の状況に反映するのでまったく書かないというわけにはいかず、かと言って中途半端に…