2022-10-01から1ヶ月間の記事一覧
五百二十枚。太子の正妃となった橘大郎女が男児を産み、白髪部王となる。白髪部というのは雄略天皇が子の白髪王のためにもうけた名代で、その白髪王が清寧天皇となったが、子がなかったので白髪の名を後世にとどめるため子代として諸国においたものだった。…
五百十八枚。十一章の三分の一を終えたあとも太子と馬子の関係の暗転の憶測が続く。双方に表立ったうごきがないこの部分をあえて活劇ふうに書くと質量のない紙細工のようになるので前段に引き続きその関係性の変質を双方の思惑を憶測するかたちで書きすすむ…
五百十七枚。十一章の三分の一書き終える。このあとは太子のストレスが溜まる一方で、五年後の推古三十年に太子と膳夫人がともに身罷る。二人が突然死ぬので毒殺説があり、犯人が誰か諸説あるが、もし毒殺なら黒幕は馬子しかなく、馬子が誰かを指嗾し、その…
五百十六枚。飢えてゆき倒れた旅人に太子が着ている衣服を与えるという有名な片岡伝説をあえて書かないでおいたが、菟道貝蛸妃の死によって太子と馬子の関係が変容してくるところまで書いて、この伝説が太子と馬子の対立構図を端的にあらわしていることに気…
五百十五枚。曇り。今日、百済使と馬子の密談に続き馬子と蝦夷の関係性を書いて、明日、慧慈が高句麗へ帰国するところを書く。太子の権威を守っている外堀が徐々に埋められていく。小説は実生活と違って一行で時間が移る。しかしその間に小説の登場人物たち…
五百十四枚。この章を今年中に書き上げたいのだが、思うように書きすゝまない。天気がはっきりせず書くほうも捗らない秋の日は深い峡谷へ傾いている丘の斜面を下っていくような気分になる。妙に澄んだ心持ちだが、歩いて下れるが、上って戻ることのできない…
五百十三枚。隋の国情を探ってきた遣隋使が百済の使いをともなって七月に帰朝。馬子の邸で密談。すでに太子は朝庭の中枢から外されている。太子の師だった高句麗僧慧慈もこの年の十一月に祖国に帰国する。こうして太子の権力の鎧が一枚々々剥がされていく。…
五百十二枚。書くときに変に技をかけると、あとで推敲のときにそのあざとさが鼻について到って苦労する羽目になる。わかっていてそれでも繰り返すのは、その動機にそれなりの理由があるからだろう。それがはからず書き手の態度についての自戒ともなるのでこ…
五百十一枚。定期健康診断とインフルエンザワクチン接種で昨日一日潰れる。隋の三回目の高句麗遠征の最中の推古二十二年夏に第三次遣隋船が百済経由で派遣される。前の二回の遣隋使は太子が隋との国交をひらくために出したが、このときは馬子が隋の国情を探…
五百十枚。太子と馬子の関係が暗転するところを何とか書いたが、あまりきつかったので、毎日冒頭から数枚ずつやって三百枚ちょっとやり終えている推敲を一昨日、一昨昨日とするのを忘れていることに昨日気づいた。昨日二枚半ほどやったが、目が泳いでいるよ…
五百九枚。目の前を捌くのに青息吐息なのだが、この状況は実存的にはわるくない。書くという行為とその思考の関係性に緩みやズレがないから青息吐息になる。しかし苦しいことには違いなく、肩が凝る。一昨日、古書市へ行って買った本を肩掛けのバックに入れ…
五百八枚。昨日書いたところの一部にちょっと迷いがあって、今日その部分を書き直し。午後は出かけるので午前中にやる。あとのことはそれを終えてから考える。小説を予定調和にしない。かと言って奇想天外を求めるわけではなく、人間の存在の状況を予断なく…
五百七枚。コロナ完治のあともしばらく体調がすぐれなかったが、ようやく復調したように思える。三キロ落ちた体重はまだ戻らない。全体の三分の二書き終える。七百枚ちょっとだが、書き終えてから何回かする推敲で一割強減る。次作の資料のリストをつくり出…
五百六枚。菟道貝蛸妃が亡くなった翌年、推古の実子の尾張王の娘位奈部橘大郎女が太子の正妃となる。その意味するところを今日書く。込み入っているが、あとで太子の死に直結するところなので丁寧に書く。できるだけ説明文にならないようにする。昨夜とった…
五百五枚。明け方に昨日書いたところの書き足しの挿入部分のメモ三枚を書く。今日はその挿入を先ず書いてから昨日書いたあとを書く。そのメモが三枚。下書きはまがりなりにも文章になっているが、メモは寝床で頭の中におもい浮かんだことを枕元の紙に闇の中…