2023-10-01から1ヶ月間の記事一覧
五十四枚。正成が式部省の徐目で授かったとおもわれる兵衛尉の官位についての説明を昨日の稿を推敲したあと書く。説明文はできるだけ短くしたいので簡潔、要をむねとする。しかし、歴史小説では説明文を欠くことができず、入念ならざるを得ないことが避けが…
五十二枚。二章がようやく小説らしくすすみ出す。この「らしく」というのが問題で、いつの間にか安直に流れているのではないかと不安になる。安直がかならずしもわるいのではなく、類型に流されてどこかで見たり読んだりしたようなことを書いてしまうのがよ…
五十枚。前章後尾あたりに三枚半挿入。二章の頭で持明院統、大覚寺統の二統遞立の概略を書き、後醍醐天皇即位の経緯とその人となりを略述。今日、できれば正成の兵衛尉任官まで書く。ゆっくり書こうと心掛けていても、早くすすむと嬉しい。ようやく夏バテか…
四十六枚。二章に入るもややもすると前章の後尾へ戻りそうになる。正成の立場から南北朝の争いを見ると、正成が後醍醐天皇の南朝の忠臣としてふるまった理由がよくわかる。正成に皇統への赤心があり、尊氏になかったということではない。そのあたりをはっき…
四十四枚。昨日は中央図書館の廃棄本の無料配布の日だったので朝から遠征。昼前に帰ってきて、午後少し書く。疲れが出たので晩飯前に焼酎一杯を呑んで早めに寝る。今朝明け方、元享三年当時の正成の心境に関する二十枚ほどのメモを書いてから起きる。二章に…
四十三枚。俊基と正成の会話書き終える。ここで章を切り上げるか、冗長になるにもせよ先の布石のために正成の甥の正氏を登場させるべきかちょっと悩む。今朝になって次章へすすむ決心がつく。次章を書きながら前章の後尾あたりへ挿入を繰り返すようなことに…
四十二枚。日野俊基と正成の会話、正成に後醍醐の人となりを訊かれて俊基がこたえるところまで書きすすむ。このあと後醍醐の意をうけてはたらく俊基の仲間のことを正成が訊くが、それにはまだはっきりとこたえられない。この時点で正成はまだ観心寺荘の雑掌…
四十一枚。ややペースを戻す。話し言葉に苦慮していたが、昨日、ふとこの時代に生きた世阿弥の能の伝書の語り言葉を活用することを思いつく。舞台での語りという状況が違うのでそのままではつかえないが参考にはなる。時代の霧の中にちょっとつてができた感…
三十九枚。このたびのパレスチナの暴挙を指嗾したのはおそらくイラン。イランの裏にはロシアと中国がいる。ロシアと中国は世界の新秩序の構築を意図していて、ロシアのウクライナ侵攻は中国の経済的覇権の拡張に歩を合わせたものだが、その軍事作戦が思わぬ…
三十七枚。金剛山転法輪寺でおもいがけず山木仁衛こと蔵人右少弁俊基に会った正成は、俊基から後醍醐天皇の倒幕の趣意を告げられる。そのところを今日書く。これが元享三年のことで、創作ノートは元享四年からつくってあって、ようやくとば口までくる。何度…
三十六枚。「太平記」のわりと最初のほうのところで、後醍醐天皇のとりまきたちが玄慧法印という学者を招いて唐の文人韓昌黎(かんしょうれい)の文集中の「昌黎潮州に赴く」という文章の講義を聴く話がある。韓昌黎の甥で文章は不得手だが道教の仙術につうじ…
三十五枚。トイレにも起きず熟睡。久しぶりに夜のメモなし。頭の中が少し雲のある秋の空の如し。数日前に名無しで登場させ、越智四郎邦永の首実検をさせた金剛山寺の行者の名を空如とする。架空の登場人物も名をえると途端に生々とする。ハイデッカーの真理…
三十四枚。越智氏討伐書き終える。若干要挿入。一章の三分の二を終える。昨日から少し冷えるようになって長袖を着る。寝間着も長袖にして袖が捲れないよう袖止めをつける。日常のものごとに謙虚に素直になる。今、「なぜ小説を書くのか」と問われれば、若い…
三十一枚半。夜中に越智邦永を討つところまでのメモを何十枚かとって多少寝不足気味。先のながい話なので、できるだけ体をいたわりながら書きたいのだが、体調を見ながら書くというのはなかなかむずかしい。私の持続の志ははじめから杖を突いているような案…
三十枚。まだちょっと立って書いている感じ。人は死ぬまで生きるという程度のありきたりな覚悟しかなくて、老いが少し重い。風呂上がりにのる体重計に表示される体内年齢はずっと実年齢よりひとまわり若いが、その自分の体がだいぶん草臥れているように感じ…