古田十駕(酒盛正)の文学日記

古田十駕の文学日記

2023-08-01から1ヶ月間の記事一覧

2023年8月31日 

第一章は正成が家督を継いでから後醍醐天皇の幕府討伐の意向をうけた日野資朝の勧誘をうけるまで。一日一枚ペースで二年半かける。取り敢えず十月いっぱいで一章を書き上げる。書き出しはどうしても少しもたもたするが、推敲での修正に委ねるということで書…

2023年8月29日 一作と一作のあいだに頭の中を野焼きする。

わからないことが多い楠木正遠、正俊をどう書くかに当面腐心している。構成上の主人公はやはり後醍醐天皇と尊氏と正成だが、正成と正俊の子の正氏と愚中周及を隠し軸にすることで小説らしくする。小説らしくということはこの場合、面白くするということ。書…

2023年8月27日 書き始めはうしろの正面。

創作ノートへの個人データーの書き込みがまだすんでいない登場人物が後半に登場する人物ばかりになったので、今日の午後から作品を書き出す。とりあえず一日一枚ペースの予定。書きながら創作ノートへの書き込みをして年内に仕上げる。今度の作品は読み物と…

2023年8月25日 

空調を二十八度に設定して籠もっている部屋に外気の暑さがどこからともなく忍び込んでくる。今夏はことのほか暑い。次作の創作ノートへの登場人物の個人データーを一日三人のペースで書き込みながら、人間がもしもっと長生きしたら人間の価値観や人生観はど…

2023年8月23日 花見する髑髏たち。

次作でつかう国土地理院の地形図二十三枚のうち十一枚を発注する。書き出すとすぐにも要るぶんで、あとは来年になって少し書きすすんでからあらためて必要性を検討して求める。人間社会の進化という概念がなかった昔の人間は、平らな地面のうえで苦楽に鼻輪…

2023年8月20日 きれいさっぱり焼け野原。

雑用を片づける。あれもこれもと考えていると煩雑なので、メモをとって一つずつ片づけていく。およそ片付いたので、今日から次作の創作ノートの書き込みを再開する。頭の中まで片付いてしまってブログに打つことも何もない。 酒盛正の電子書籍 ↓ ↓ ↓ ↓ (表紙…

2023年8月18日 風と船と木の根。

午前中、図書館へ行く。次作の資料になる本を探したが、あまりなかった。基本、大事な資料は自腹で買うしかない。それでも書き始める直前の本格的な資料集めの手始めには図書館へ行く。ひさしぶりの外出だったので、暑さもあって疲れる。作りかけの創作ノー…

2023年8月16日 夕暮れて道を愛しむ影のびる

推敲五百九十枚了。今日、明日二日かけて最後にもう一度目をとおして一丁上がり。しっかり書けたという感じがする。長編小説のフィナーレの最大のイベントは書き手の自己満足。ニーチェが言うところの実存的陶酔。しかし、その先をニーチェは言わない。それ…

2023年8月14日 吉凶の中ほどと見ゆ驟雨

推敲五百十枚。あと三日、ひと息なので慌てずやる。気張りたいのだが、一昨日寝違えた首がまだ具合がわるくて、気張ろうとすると柱と梁の枘がずれたようになってうまく力がはいらない。何年かにいちどの長編を書き上げるフィナーレの一瞬なので、できればも…

2023年8月12日 夏雲を見上げて嘆く蜥蜴かな

推敲四百五十枚。長塚節の「土」読み始める。久しぶりの日本作品。途中までは若いときにいちど読んでいて、そのときと印象がちょっと違う。昨日読み終えたゾラの「ジェルミナール」と書き方が似ている。自分の文章の推敲ばかりしていると文章が半透明のよう…

2023年8月10日 一日水明庵主となる

推敲三百九十枚。推敲がいよいよ佳境に入っているので集中したい。ブログを打つのさえ苦痛で、早々に心事四面の扉を閉じて籠もりたい。一日三十枚、滝の落ち口の水明。 酒盛正の電子書籍 ↓ ↓ ↓ ↓ (表紙画像をクリック) books.rakuten.co.jp 曹洞宗の禅林で破…

2023年8月8日 猛る夏おのが薪なる窯を焚く

推敲三百三十枚。半分をすぎて、やや落ち着く。いつもそうなのでそうなる予想はしていたが、それでも少しほっとする。今日も入れてあと九日。何とかなりそうな気がする。今の作品を書き始めたのが三年前の九月中旬だったので、ほぼ丸3年かかったことになる。…

2023年8月6日 文弱が螳螂になる。

推敲二百七十枚。最終推敲のつもりの稿があとで判読がむずかしくなるほど汚れる。では、これまで何回もした推敲は何だったのか。ともかくやり切るしかないとおもって一日三十枚のペースを守る。このペースが持続の命綱になっていて、これがなければたぶん空…

2023年8月4日 書架に何年も晒してようやく値打ちがわかる本。

推敲二百十枚。前回の稿数削減を目的にした推敲で、用明が即位したあとの厩戸王を親王としたが、親王という尊称は太宝令以降につかわれるようになったので、「大王の嫡流の王(みこ)」に書き変える。頻繁に出てくるようだと煩わしいが二度だけなのでよしとす…

2023年8月2日 本質と皮相の一体性。

推敲百五十枚。今読んでいる「ジェルミナール」には数十頁毎に挿絵がついていて、なかなか味わいがある。挿絵にそれなりの効用があるとすれば、挿絵の効用に類した効用を意図した文章による描写があってもよい。たとえばサルトルやベケットの小説に挿絵があ…