古田十駕(酒盛正)の文学日記

古田十駕の文学日記

2022-09-01から1ヶ月間の記事一覧

2022年9月30日 酒呑めば何事なけれどただ愉し

五百四枚。推敲三百枚終える。十一章冒頭を三枚半ほど書きすすんで、ちょっと息を乱す。昨日書いた一枚の三分の一くらいしかつかいものにならない。今日はその頓挫したところから書き始める。昨晩は焼酎一杯のおかげでトイレにも起きずに眠り、メモもなし。…

2022年9月28日 目の前のことが一大事。

五百二枚。コロナワクチンの四回目接種をうけるために出かけて昨日の午後は潰れる。出かける前に三分の一枚ぶんだけ書いておいたので、今日はそれにメモのあるぶんを書き加えて半枚か一枚くらいにする。隋が高句麗に大敗したことで、隋との国交をひらこうと…

2022年9月26日 歴史の混乱期の社会的ヒステリーの話をする。

五百一枚。書き漏らしがあって、十章の末尾に挿入。十一章の後尾も多少書きすすむ。晴天。秋めいた外気が住まいの中へも入ってくる。鉢に植えてある小梅が一メートルくらいになったので植え替え期になったらどうしようかという話を昨日だか一昨日にして、そ…

2022年9月24日 卜伝は快刀乱麻の夢を捨て

五百枚。十章の後尾がのびてようやく十一章に入る。「暗転」の章に入って書くことが複層的になり、書き漏らしをしないようメモが多くなる。そのメモが寝床で書くのがほとんどなので、昼間に見ると読みづらく解読に到って手間取る。苦労の種が尽きない。目の…

2022年9月22日 一本道の紆余曲折。

四百九十八枚。今朝、布団の上で「帝紀」編纂が太子によって発議される次第のメモを九枚とる。「紀」にも「記」にも太子が発議したとは書かれていないが、当時、それを発議できるのは太子しかいない。王統のことは太子がまとめ、臣の氏族の由緒は臣の長たる…

2022年9月20日 文章の実存。

四百九十六枚。小説は資料を読み込み、創作ノートを作り、書き、書き直し、挿入し、加筆添削し、推敲して仕上げるので、何度も手を入れる機会があるように思えるが、じつは書くべきものが自分の文章になる作用は即時的なものだ。即時のその一瞬にかたがつく…

2022年9月18日 足下のクレパス。

四百九十五枚。このところ下書きをしてから本書きするというひと手間入れるやり方で筆が捗っていたが、昨日寝る前にしばらく布団の上に坐って考えごとをしていたとき、ふと、ここ数日間に書いた数枚を書き変えて前後を入れ替えなければならないことに気づい…

2022年9月16日 秋になって緑が同じ生命の人間に懐こくなる。

四百九十三枚。晴天。今日は菟道貝蛸妃の俄の不予とその死まで。そのあと隋の高句麗征討の失敗まで書いて十一章を終える。十二章は表向きは従前どおり平穏だが、貝蛸妃の死を契機に暗転した推古と太子と馬子の関係から書き始める。ゆっくりと書いているのに…

2022年9月14日 秋あれば生きられる

四百九十二枚。菟道貝蛸妃の死の直前の太子と馬子の関係のところへの加筆の下書きを今日稿に起こす。妃の死のところの下書きもできていて、もしできたらそれもあとで本書きしたいが、逆にするかも知れない。秋になって少し書きやすくなった気がする。昨日、…

2022年9月12日 身内のバカのような柿の木。

四百九十枚。もう十年以上前にスーパーで買ってきて食べた柿の種を土に埋めて育てたのがずいずん枝を張って一人前の大きさの実をつけている。種から育てた柿の木は実がならないというのは嘘で、ちゃんと生る。鉢植えなので一メートルくらいの丈だが、何十個…

2022年9月10日 何か世の中が変じゃないかという話をする。

四百八十九枚。馬子の姉で欽明の后、用明、額田部の母、太子の祖母にあたる堅塩媛の改葬まで、昨日下書きして、今日本書き。コロナを患ってから少し怠い感じが続いていきなり本書きができず、下書きのようなものを書いてからもう一日かけて原稿に起こすよう…

2022年9月8日 蟋蟀の初音澄みて聴き入る

四百八十八枚。ここ二日ほどチャンバラのような書き方。こんな書き方はながくやると到って疲れるので今日あたりでいちど気息をととのえたい。破綻はいいのだが、破綻に責任のとれない書き方は好まない。蟋蟀の初鳴きの心はそんな悠長なものではなかった。 酒…

2022年9月6日 空っぽのコップの中の秋

四百八十七枚。み月にいちどの定期検診をすませて帰ってきたところ。二枚ほど下書きがあるので、このあとそれに手を入れながら原稿に起こす。半枚、もしかしたら一枚近く書きすすめるかも知れない。このあと羽田の薬猟、菟道貝蛸妃の死を契機にした推古と太…

2022年9月4日 青々し四日目の秋

四百八十六枚。コロナの後遺症の喘息症状がだいぶんおさまり、書くほうのペースが落ち着いてくる。今日は二枚半ほど前のところに挿入する新羅使の帰国直後の慧慈と太子の会話半枚を書く。体調がすぐれなかったときに書きもらしたり書き損ねたところがポロポ…

2022年9月2日 紙芝居の主人公になったつもり。

昨日は午前中にかかりつけ医の医院へ行って、帰ってくると疲れてしまって一日潰れる。うちから医院まではずっと下り坂で、橋の両袂をのぞけばペタルをあまり踏まなくても医院まで行けるが、そのぶん帰りはずっと踏み続けなければならない。咳がひどいのでバ…