2022-01-01から1年間の記事一覧
残四十二枚。大晦日に思うことが何もない。今日書くことだけ、川面に打たれている杭のようにあって、それに絡んだ思念が小さい渦を巻いている。数少ないリピーターの皆さん、よいお年を。 酒盛正の電子書籍 ↓ ↓ ↓ ↓ (表紙画像をクリック) books.rakuten.co.j…
残り四十三枚。膳臣大伴が馬子からわたされた鴆毒を妹の菩岐岐美妃にわたすところを今日と明日で書く。その鴆毒を菩岐岐美妃が太子に飲ませるところを書くのは大晦日か正月になってから。ゆっくりと書く。 酒盛正の電子書籍 ↓ ↓ ↓ ↓ (表紙画像をクリック) bo…
五百五十六枚。残り四十四枚。今年の初夏ころに頭からやり出した推敲が五百枚まで済んで、このペースでいくと書き終えるちょっと前に追いつく。そのまま書きすすんで書き了えたあと、さらに二、三度頭から推敲する。通して都合五度の推敲をすることになるが…
五百五十五枚。前年の秋に茶毒にかぶれ、正月の中旬に季節外れの茶毒にふたたびかぶれてアナフェラキシー症状を呈した太子の看護をするため、七年ぶりに菩岐岐美妃夫人が斑鳩宮へ参向する。上代語の会話がむずかしくて筆がすすまない。残り枚数÷ペースで単純…
五百五十四枚。最後まで苦しみが続く。苦しいから書くのか、書くから苦しいのかわからない。朝起きると頭にあるのは今日書く十数行のことだけで、あとは何か圧倒的なカラッポ感。その虚空に木枯らしのようなものも吹いていて寂寞感もある。自分という山があ…
五百五十三枚。太子暗殺の前段が進行する。「紀」の推古二十八年十二月庚寅朔日条の「天に赤き気有り。長さ一丈餘。形雉尾に似たり」の記述は、歴史の裏の真相を暗示した「紀」記述者の創案かも知れない(前後の記述から推古二十九年とすべきか)。そう思える…
五百五十一枚。昨日書いた部分がほぼ消える。辛いが、書き損なったところはどんなに遡っても書き直さなければならない。そこを直しておかないとあとがおかしくなるし、そうやっておかしくなった部分は推敲では直らない。推敲は全能ではない。飽くまでも書く…
五百五十枚。菩岐岐美妃に太子を毒殺させるよう馬子が膳臣大伴を説得する。説得をうけた時点で大伴は加担せざるを得ない。拒めば一族滅亡の運命にある。加担を承諾したあと、馬子がはかりごとの細部を説明するところを今日書く。この部分が完全にフィクショ…
五百四十九枚。晴天。晴れた日はちょっと得をした気分になるが、やることは毎日同じ。ほぼ世捨て人の暮らしに等しい。仙人の都会生活と思えばいい。コロナにも罹ったし、ウクライナ兵の死にも心を痛めるが、どこか心が浮き世を離れている。歳をとって自分が…
五百四十八枚。最終章「魔風」に入る。馬子と膳臣大伴の密談から書き出す。太子の妃夫人の菩岐岐美郎女は膳臣大伴の妹(資料的に確認がとれないが状況証拠はある)。あと五十枚、あとみ月ほどだれないように書く。 酒盛正の電子書籍 ↓ ↓ ↓ ↓ (表紙画像をクリッ…
五百四十七枚。多分、今日、穴穂部間人前后の薨去を書き終えて十一章を書き終え、最終章に入る。少しペースが上がる。その最終章の見出しに二案あってさっきまで迷っていたが、やっとさっき決める。追いつめられて崖から飛び下りるような決め方なのが、われ…
五百四十五枚。推古の庇護下にある太子を排除するため、馬子は縁族の膳部傾子の女で太子の妃夫人の菩岐岐美郎女へ調略の手をのばす。橘妃が正妃になってから夫人の里方へあまり通ってこなくなって疎遠になっている太子を、その菩岐岐美妃をつかって毒殺しよ…
五百四十四枚。あと六、七枚で十一章書き終え。最終章の十二章で太子と馬子と推古の死を書く。何だかんだと屁理屈をならべながら書き継いでようやくここまできて、ちょっとほっとする。ほっとすると屁理屈のほうも出てこない。その屁理屈と思考のかかわりで…
五百四十三枚。捨身飼虎の話は説話では太子が橘大郎妃に話したことになっているが、そうだとは妃が太子の死後に太子を偲ぶ刺繍を織らせることを乞うときに推古へ話したことで、そういう話は話の周辺部分が変形していることが多いので、太子が直接話したのか…
五百四十一枚。太子、山背大兄王と馬子、蝦夷の血の資質を双方の仏教への姿勢の違いに拠って対比させて書く。入鹿のことも触れようと思ったが、ここでは煩瑣にならない程度にしか書かないことにした。創作ノートの空白のところに書くべきことが山のようにあ…
五百三十九枚。ここではじめて山背大兄王ら十人の太子の子のことに触れる。彼らは太子が薨った二十一年後に入鹿に攻められて皆亡くなるのだが、そこまで書こうとするとあと二百枚くらい必要。気力がないのと、推古、太子、馬子の三人の死まで書けばいちおう…
五百三十八枚。膳部は蘇我の縁族で、菩岐岐美郎女が太子の夫人になったのは野辺で花摘みをしている彼女を太子が見そめたからだという文芸的なことではない。崇峻が大伴の女を嬪にしたのをゆるさなかった馬子が、太子が他族の女を妃とすることをゆるすはずが…
五百三十七枚。推古、太子、馬子の鼎の心理を今日、明日で書き終える。あと六十四枚で完結。どこまで書くかいちおう見切りをつけたので肩が軽くなって書きやすくなる。書き終えるのは三月か四月。そのあと推敲に半年。出来不出来は推敲が済むまで不明。どう…
五百三十六枚。「南北朝」読み終え、「北朝の天皇」を読み始める。どちらも新書版なので読みやすい。「梅松論」は一日一頁のペース。書くほうはいつものペース。ここひと月ほど体調不調が続き、目の前のやるべきことをやっているという感じ。ながい期間にわ…
五百三十五枚。推古二十八年の欽明陵改修まで書き終える。二年後の太子と膳部菩岐岐美妃の死までが十一章。次作の資料「梅松論」読み始める。このころに現代の日本語の文法の基礎が完成したようで、活字ならほぼ原文で読める。原文が漢文白文の綸旨、起請文…
五百三十四枚。十一章の三分の二の後尾に一枚加筆。次作の資料として読んでいる「改稿 足利尊氏」読了。続いて「梅松論」を今夜から読み出す。資料は午後一作、夜一作、まだノートをとらずに読み継いでいる。南北朝の通史と後醍醐天皇関係はもう何冊かずつ読…
五百三十三枚。推古と馬子の会話が予定より一枚つまって十一章の三分の二を書き終える。一行の空行をおいて太子と馬子の緊張関係を書き出す。太子も馬子も武人ではないので戦闘場面はない。推古二十八年に太子と馬子がともに議して天皇記、国記、臣連伴造国…
五百三十二枚。ここ数日、手探りで書き継いだ四、五枚を大胆に組換え、その前後の摺り合わせの手を入れる。言葉がその意味するところを変えずに表情を変える。そのうえで、あと二枚書き継ぐ。それで十一章の三分の二を書き終える。雨激しければ土洗う。 酒盛…
五百三十枚。あと三枚で十一章の三分の二書き終え。そこまで手探り書きが続く。ここが主題の頭頂にあたる。推敲四百枚終える。八章で「十七条」を全文載せてあるのを全部削るかそのままにしておくか決められない。「十七条」は太子の政治の肝なのだが、小説…
五百二十九枚。推古と馬子が太子家のことで話すところを今日書くつもりで、一昨昨日に箇条書きのメモをつくっておいたのが、昨日あらためて見ると、まるで何のことか主旨が辿れない。今日はその謎解きから始める。自分で書いたことだから何とかなる。メモの…
五百二十八枚。昨日は手島王女が生まれるところまで書き、今日からその手島王女をいずれ入鹿の妃にして(入鹿が婿になる)その王子を推古のあと王位に就く厩戸王のあとの日継ぎの太子とすることについて推古と馬子が話し合うところを書く。太子と馬子の水面下…
五百二十六枚。随の滅亡と三韓の動静のところを書き、一晩いろいろと再考するに、どうも違うなという気がして、今日書き直しする。こういう書くことによって気づく不首尾はあってしかるべき健全なことだとおもっているのであまり苦にならない。むしろ自分の…
五百二十五枚。十一章半分書き終える。随滅亡後の三韓と倭の動静。太子の三教義疏の著述。そのあと太子と馬子が共同で企画した天皇記、国記の選録について書く。この企画で太子は国のあり方と王統の正統を明らかにしようと考え、馬子は蘇我の系譜を神授の王…
五百二十四枚。大業十四年三月に煬帝が寵臣に縊殺されて隋が滅ぶところまで書く。このころ倭国では平和裡に蘇我政権の独裁化がすすみ、馬子がひそかに王権を窺うようになる。太子は対隋外交の失敗の責任をとらされるかたちで政権中枢から外され、斑鳩宮に籠…
五百二十二枚。推古二十四年の百済と新羅の母山城の攻防まで書く。百済と新羅は伽羅の帰属をめぐってなが年争っていて、争いがある都度双方から倭国の与力や中立を求めて使者が来朝した。このときも七月に新羅の使者が二尺の金銅仏を貢上したと「紀」にある…