古田十駕(酒盛正)の文学日記

古田十駕の文学日記

2024-01-01から1年間の記事一覧

2024年2月12日 この世を吹き抜ける風や茫

百四十五枚。今日は正成が籠城の手配りをするところを半枚で書く。じつは昨日いちど書いて今日パソコンへの入力原稿にできなかった分。このあと笠置山に残した郎等が知らせてくる笠置山を囲んだ幕府軍と行宮の守備軍との戦況や吉野で挙兵した大塔宮と幕府軍…

2024年2月10日 何のためのAIアシスト

百四十三枚。正成が笠置山へいっているあいだに正季が赤坂城の備えを固める。正成は笠置山へほとんど武士が馳せ参じていないのを見て赤坂へ帰り、日和見を決め込む。日和見が通じないにしても、何とか少しでも穏やかなかたちでの降伏を模索する。あと十枚で…

2024年2月8日 デコボコした道。

百四十枚半。「太平記」は講談風の合戦の記述が売り物で、その合戦の場が京を離れるほど動員された兵数が大袈裟になる。それを修正するのにそれぞれの領地の石高、その時代の実戦例などを参考にする。それとヒロイズムを必要以上に入れて英雄譚にしない。理…

2024年2月6日 雪解けに空明るみぬわが戦場

百三十九枚。昨日昼過ぎから深夜まで雪が降って、今朝は顔も洗わずにその片づけをして午前中を潰してしまった。体の節々が痛くてすぐに仕事を始められず、少し休みながらこのブログを打っている。昨日までに正成が笠置山へ伺候する前まで書き終えて、おそら…

2024年2月4日 窓曇る時雨今宵は雪かも

百三十七枚。正成が笠置山へ伺候するところを今日書く。笠置山の守備軍があまりに少ないので正成は参陣に気乗りがしない。叡山から落ちた大塔宮もそうだったらしく笠置山へ参陣せずに吉野へ向かっている。大塔宮のこのときのうごきがのちのちに父後醍醐天皇…

2024年2月2日 朝の力。

百三十五枚。三章の三分の二を書き終える。舞台は京から笠置山へ移る。この章の残り三分の一を勅使の万里小路藤房が赤城の楠木正成のもとへ遣わされるところから始める。正成はまだ迷っている。忠たるべきか、打算に徹するべきか。前章の見出しの「ひょっと…

2024年1月31日 耳鳴りの中で書く戦記物

百三十三枚半。元弘八月二十五日から二十九日までの大和へ行幸した後醍醐天皇が笠置山に行宮をおいて、一方比叡山に登った大塔宮と妙法院が六波羅との戦いに敗れて大塔宮が吉野へ、妙法院が笠置山へ行啓するまでのうごきとその理由としての状況判断が複雑で…

2024年1月29日 中庸という凡庸。

百三十二枚。晴天。たぶん、今日で三章の三分の二にあたる大塔宮、妙法院両法親王が叡山を落ちるところまでを書き終え。あと三分の一で後醍醐天皇の隠岐配流の前まで書く。えんやこらえんやこらという感じ。ペースをこのまま安定させたいが、あえてこだわら…

2024年1月27日 手の平を見ると甲が見えない。

百三十枚。後醍醐天皇が笠置山で旗揚げし、比叡山で六波羅の軍勢と山門勢が戦っているころ、京では持明院統の後伏見上皇の嫡子の量仁皇子のと登祚をはかって後伏見上皇と花園上皇が賀茂社へ願文を上ったり各方面への根回しに忙しい。書くほうも舞台があちこ…

2024年1月25日 虫のよい仙人。

百二十八枚。搦手の近江からの幕府軍の攻撃を撃退したあと、西塔釈迦堂に入っている今上がじつは尹大納言であったことがばれて山門衆徒の心が離れ、そのために大手の西坂下の防備が破綻する。今日は簾が風に捲れて尹大納言の顔が山門の僧に見られるところま…

2024年1月23日 人間の生存における社会性という実存的本質。

百二十六枚。ペースが上がりすぎているので、少し抑え気味にするよう心掛ける。このペースで書き続けると体力が持たない。何と言っても最後は体力。この道よりないのだから。 酒盛正の電子書籍 ↓ ↓ ↓ ↓ (表紙画像をクリック) books.rakuten.co.jp 曹洞宗の禅…

2024年1月21日 何人かは知らねわれも知らねば

百二十四枚。唐崎の合戦の海東左近将監の討ち死にまで書き終える。三章のちょうど半分。少し馬力がかかってきた気がする。朝起きるとやる気満々で、ブログを打つ時間を惜しんで後回しにした。 酒盛正の電子書籍 ↓ ↓ ↓ ↓ (表紙画像をクリック) books.rakuten.…

2024年1月19日 長柄刀振る法師や湖西の波の音

百二十二枚。唐崎の合戦を書き始める。地名事典付録の地図では辛崎になっている。湖西へ兵をすすめてきた幕府軍へ大津の円宗院の僧たちが攻めかかって緒戦がひらかれ、双方の後詰めの兵が進退して挑みかかる。四、五枚で書く予定。合戦を書くのは二十年ぶり…

2024年1月16日 子のごとくただはしゃぎたき淋しさ

百二十枚。南北朝の合戦の幕開けは比叡山の東西の登り口で起こる。これからは合戦に次ぐ合戦で、その合間に持明院統の公家と大覚寺統の公家たちが袖を翻して走り回る。敗戦の武士は腹を切り、捕らわれた公家は配流か斬首、皇族は配流されたうえでときに弑さ…

2024年1月14日 昨夜は初雪とかなれど見ず

百十九枚。三章の三分の一を終えていよいよ南北朝の合戦時代の序に入る。富士登山に例えれば五合目か。ゆっくりと、丁寧に書く。書いた文章が絡み合ったミミズのように転倒する。どういう文章を書こうと言うより、書いた文章自体が思考を等っている感じがす…

2023年1月12日 A drowning man will clutch at a straw.

百十七枚半。今日も挿入と書き直し。資料の「増鏡」「太平記」「大日本史」「南朝編年記略」などの記述内容の選択と整合に手間取る。嘘のまこと、まことの嘘が入り乱れていて、錯綜したそのむこうに事実や登場人物たちの実存的真実が霞んでいる。それらの事…

2024年1月10日 人の世は七草のごと我は蕺

百十七枚。あと一枚ほどで三章の三分の一書き終える。挿入の挿入、書き直しの書き直しが続く。 酒盛正の電子書籍 ↓ ↓ ↓ ↓ (表紙画像をクリック) books.rakuten.co.jp 曹洞宗の禅林で破門同然となった良寛は、越後へ帰郷して世俗の中で禅の修行を全うしようと…

2024年1月8日 苦しくて楽しかりけるこの世かな

百十五枚。後醍醐天皇の大和潜幸の前後の謎が木津での場面に集約しているので、今日で三日かけて加筆したり書き直したりしている。そうしているあいだにも京では幕府軍が比叡山を攻撃しているので、あと二、三枚で後醍醐天皇を笠置山へやったあとそちらへ筆…

2023年1月6日 謹賀新年。本年も宜しくお願い申しあげます。

百十三枚。京を脱出した後醍醐天皇が山城と大和の国境に近い木津川南岸の木津まできたところまで書く。「太平記」では輿できたことになっているが子の刻に御所を出た天皇が六波羅の監視を逃れながら夜明けまでに輿で国境までくることはどう考えても無理なの…

2024年1月4日 冬来たりなば春遠からじ

百十一枚。型どおりに小手へ斬り込む。神器を持って御所を抜け出した後醍醐天皇は大和へ潜幸、笠置山に御座所をおくまでを今日から書く。刃筋を立てて書く。 酒盛正の電子書籍 ↓ ↓ ↓ ↓ (表紙画像をクリック) books.rakuten.co.jp 曹洞宗の禅林で破門同然とな…

2024年1月2日 石川地震お見舞い申しあげます。

百十枚。年が変わってもまだ蛇足めいたところを書いている。よく言えば斬りかかる前に間合いをはかっているような感じ。わるく言えば怯えて尻込みしているような感じか。それなりの勇気が要る。 酒盛正の電子書籍 ↓ ↓ ↓ ↓ (表紙画像をクリック) books.rakute…