古田十駕(酒盛正)の文学日記

古田十駕の文学日記

2024年3月26日 若いころはもっと孤独になれていた。

 朝から雨だが、午後にでも近くのスーパーへ食糧の買い出しにいく。一昨日の電話で家内が野菜を摂れというので焼酎のつまみに茹でた枝豆を買ったが、べちゃべちゃに湿気っていて皮が厚くて食べられたものではなかった。手書き原稿ばかり溜まるので何枚書いたかわからないが、四章の三分の二までは書き終える。残り三分の一で下赤坂城の落城を書く。日曜日の夜というか月曜日の未明、むかいのアパートの二階で犬の異様な鳴き声がして、二、三分藻掻き苦しむようなその鳴き声が続いてパタリと止んだ。そこの住人は以前から何かと問題があって(以前に警官が踏み込んだことは前に書いた)、動物虐待で近くの派出所に電話をしようとおもったが、時間が時間なのでやめた。あんな内臓を吐き出すような鳴き声は死ぬときにしか出ないようにおもえる。そのあと飼犬の鳴き声はまったくしなくなっている。